PL95 複合建物
前文
このパタンは、特に建物を扱う110パタンの最初のものである。
またこれは前の社会構成を扱うパタンから、後々の個々の空間を定義するパタンに進むために通過する難関でもある。
一定の建物を建てることにしたとしよう。
建物に収容しようとする社会集団や人間組織については、一方では自分自身に特有の事実が、また他方では前述の諸パタンが明らかにしてくれるであろう。
次に、このパタンと次のパタンーPL96_階数ーから、敷地上の建物構成の基本が得られる。このパタンが、建物を部分に分割する方法を大まかに示し、次の階数が、各部分の高さの決定に役立つ。 当然、この2つのパタンは同時に使用せねばならない。
問題
建物が、より小さな建物やより小さな部分の複合体で、そこに内在する生活実体を表明しない限り、人間的な建物にはなり得ない。
解決策
けっして一枚岩的な大きい建物をつくらないこと。
できれば、建物の各部分が現実の生活実体を表明する複合建物になるよう、つねに自分の計画を修正すること。
低密地区では、アーケード、歩行路、連絡橋、共有庭、さかい壁などでつながる小さい建物の集合体になるであろう。
高密地区では、単一の立体構造物の一部でありながら、重要部分を強調し識別できるようにすれば、単一建物でも複合建物と見なしてよい。
たとえば、住宅のような小さい建物ですら「複合建物」と見なすことができるー場合によっては、その一部を他の棟や付属小屋より高くすればよいであろう。
---
最も高密な地区では、共有の界壁で狭い間口に分割した3,4階建の建物を歩行者街路ぞいに並べ、各戸に内階段か外階段を設けること
時間をかけて隣家になじませるために、できるだけ一度に1戸ずつ建設するよう力説すること
建物の正面は25から30フィート(7.5-9m)の高さにおさえること
集合体のなかの1つを、敷地の自然な中心部に置き、大きな建物にすることーPL99_おも屋